NEW POST

【銘玉】日本工学 NIKKOR-H 28mm f3.5 

 自分がレンズを買う時、欲しいレンズを追っかけて買うことはほとんどない。

 小遣いが少ない財布事情のせいだが、買えそうな価格が先にあり、そして面白そうなレンズなら買ってみる。というスタンスだ。

 今日、紹介する

【銘玉】日本工学 NIKKOR-H 28mm f3.5 

も、探して買った訳ではない。(ファンの皆様失礼)

 手元に 50mm、55mm、60mm と単焦点レンズはあるものの、DXフォーマットで使うと、それはもはや中望遠レンズとなってしまうため、気軽に使える単焦点を探していた。

 35mmあたりがDXフォーマット換算 52.5mm となるため、第一希望は 35mm の単焦点だった。

 新品ならこれだが




 これでは、私の財布では買えない。

 中古も安くはない。

 そんな時に、目に止まったのがこれだ。


  • 28-1.jpg
  • 28-2.jpg
  • 28-3.jpg
 オークション出品画像をそのまま拝借(失礼)

 おお、『日本光学』!!!の文字!!

 しかも Ai対応だ。(これだけでも価値がある。)
 
 そして説明文

--------------
ニッコールレンズ 28ミリ F3.5です。プラケースの品です。

素人ですので、状態は詳しくはないのですが、レンズにカビのようなものが見受けられます。写りに支障があるかは、わかりません。
コレクションとしてもいかがですか。
よろしくお願いいたします。


画像にはありませんが、キャップも付属しております。
--------------
 
 この瞬間。ほぼ買いやな。と心では思った。

 フィルターが装着されている点から見ても、カビの浸食はおそらくレンズ本体には届いていないと判断。

〔ジャンクレンズの経験的に、「フィルター付き・カビあり。」の案件の場合は、カビはフィルターで止まっていることが多い。 ← カビの立場から考えれば、奥まっていて、かつ、コーティングされているガラスより、フィルターの方が環境的に繁殖が楽なのだろう。と私は思っている。〕 ← ジャンクレンズの目利き(賭けとも言う)については、秘密にしておきたい部分も多いが^^;

 あとは、価格との折り合いだったが、これも以外にあっさり買えた。

 その価格、1,500円。送料入れても 2,000円。

 相場と比較しても大きく安い。

 そして届いた現物を見て、軽く清掃を施したら、見込み通り、カビの浸食は、フィルターのみ(そのフィルターも清掃したらきれいになった)、結果的には 美品が檄安。

 買った後に、このレンズについて調べてみたら

 「ニッコール千夜一夜物語 第12夜」

に掲載されている銘玉だった訳だ(驚)

 最初に発売されたのは 1960年(昭和35年)だそうだ。

 私が買ったこれは、先端が黒の いわゆる後期型(光学系は一緒だが)

 こちらのサイトで製造年を検索すると、私のレンズは 1971年製らしい。

 私よりも年上だ。

 ちなみに 1971年(昭和46年)というと

・8月15日 - ニクソン・ショック(アメリカが金とドルの交換停止)。
・9月18日 - 日清食品が「カップヌードル」を発売。カップ麺の先駆けとなる。
・10月21日 - 志賀直哉、小説家 死去(* 1883年)

といった出来事があったようだ。

 それから42年。いろいろな瞬間を切り取ってきたに違いないこのレンズ。

 それが、私の元に。

 そう思えば、たった 2,000円(送料込)のレンズだって、先述の新品より魅力的に思えないだろうか。
 
 そう、歴史を手にしているのだ。

 そして、そんな 53年前 新発売だった オールドレンズだが、描写力だって、大したもんですよ。

 これが私の作例だが、どうだろうか?

 今の時点では、夜の写真しかないが、なかなかキリッとした描写だと思う。

 DXフォーマットで使うと換算 42mm と少し広角目の標準レンズとなるこのレンズ。

 今後活躍の場が増えそうである。

 こうして、レンズは増えてゆく(笑)

 歴史シリーズは、もうちょっとあります。それはまだ後日おいおい(^^;
by legacy_bg5a | 2013-03-08 13:15 | NIKKOR-H 28mm f3.5 | Comments(0)

NIKONがメイン機だったはずが、いつの間にやら雑食系。なんでもござれの機材馬鹿が撮った写真紹介中


by legacy_bg5a